Who are you / vol.2 HANA -JPver

Who are you / vol.2 HANA  -JPver

Who are youは、その人を知り、見つめ、ふかめていくコンテンツです。

今回も1回目に続き、メンバー同士のインタビュー。

CHISATOからHANAへ、さまざまな質問を投げかけました。

↓インタビュー全文はこちらから↓

https://note.com/channel3627/n/ne83c91da57d5

 

HANA

彼女の眼差しは、いつも日常、そしてその地続きにある社会に対して注がれている。幼い頃から美術館に通うなどして美術と触れあった後に、西洋画の図像学との出会いを経て美術の面白さ、奥深さに目覚め、美術について学び働いていきたいと思うようになったという。大学生になり、美術分野での経験を幅広く積み重ねている今の彼女は、芸術の持つ豊かな可能性を信じながら、「なんか変だな」と感じる社会における芸術の果たし得る役割を探っている。何か大きなことを語っても、社会における問題を何とかしたい、と思っても、その一歩はまずは日常から。あくまで自分のこと、そして自分に直接関係する人のこととして、フェミニズムや福祉の問題に着目し、一つひとつ真摯に向き合って捉えている姿が印象的だった。そんな彼女が目指す、channelというコレクティブを通して実現したいことは、「私たちの活動を通じて文化芸術があってよかったと思ってもらうこと」。とてもシンプルだけれど胸に響くのは、心が荒んでしまうポイントの多い今の世の中で、心のクッションとなる居場所が必要とされているからだろう。channelも、社会の余白として誰かの心の居所になることを目指し、「正解」の問われない場をつくっていきたい。彼女とであればそれが可能である、インタビューを通じてそう思った。

BY CHISATO

 


*インタビューダイジェスト版*

インタビュー完全版は、noteにて公開!

▷文化芸術分野に足を踏み入れることになった経緯やきっかけを教えて!

元々、親が美術館が好きでよく行ったりしていたのね。小さいときは、連れていかれても分からないしつまらなかったけど。一番ちゃんと意識したのは、中学2年生の美術の授業で西洋のルネサンス美術について学んだとき。当時の西洋美術の宗教画には、たくさん意味が込められていて、書いてある物事全てに意味があるし、鑑賞者にメッセージを伝えているということを教えてくれて。きれいなだけじゃなくてこんなに意味があるんだということを知って、すごく面白いなと思ったのね。絵画やアートは、難しいものや高尚なものとしてつまらないと感じてしまう人も多いけど、本当は謎解きのようになっていて面白いし、一人ひとりキャラクターもあったりして親しみやすかったりもする。これをみんなが知ったら面白がるんじゃないかな~と思ったの。

▷美術分野で学ぶことになった経緯は?

中学時代に出会った図像学について、美術史っていう分野であれば勉強できることを知って、西洋美術史がやりたいんだなと思ったの。最初は一般大学の哲学科の中にある美学に力を入れている学校に絞った。だけどもっと美術を学びたいなと思ったときに、美大も見てみたら絵の技術がなくても学力で受験できるってことを知って、美術系の大学に入ろうと思ったんだよね。

面接のときには「学芸員になりたい!」ってよく言っていたの。絵画に込められている意味を、作家と鑑賞者の間に立って橋渡しになって伝えたいって思っていて。少しでも将来そういう道に進みたいから、そのために勉強したいっていう感じだった。

▷現在学んでいることはどんなこと?

領域としては、キュレーション、マネジメント、リサーチとかをやっている。広告デザインの先生が来たときは、告知する方法とかキャッチコピーとかについて学んだかな。あとは、プロジェクトマネジメントの分野で活躍されている先生も来てくれて、理論を学びつつ芸術祭に視察に行って、現場を見て事例や仕組みを深めていくようなこともしているよ。

他にも、1年時には彫刻の授業で基礎的な彫刻を勉強をした。それによって、作品がどのように作られているのかが分かるし、それがこれから仲介者として美術に関わっていくときに役に立つって言う考えでやっていて。でも実際にやるとものすごく難しいことが分かった。多面的に物を見なくてはならなくて、全然思い通りのものも上手にできなくて。それから所属している彫刻コースで毎年出している、「大地の芸術祭」のために昨年の夏も暑い中みんなで制作した。思っていたよりもめちゃめちゃ時間も労力もかかるんだなと思って。でも、やっぱりやって良かったと思うのは、作家の気持ちをもっと想像できるようになったり、大事に作品を扱おうと思ったり、あとはもっと作品をを理解したいと思うようになった。

▷今携わっている美術の現場について教えて!

やってることは全体的に、マネジメントとコーディネートがほとんど。日芸の写真学科のアーティストの展示をマネジメントやコーディネートしたり、実際にマネジメントの仕事をしている方のアシスタントをしたりしている。あとは、最近は猿島のSense Islandっていう芸術祭に入らせてもらっていて、そこではTPR(TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH)っていう参加アーティストのアシスタントをして、インストールとかもやらせてもらったりしてる。

▷美術や芸術の特徴は、社会にどのような影響を与えられると思う?

社会に対して窮屈さをすごく感じるし、自分もこれが正解かどうか焦ることやイライラすることもたくさんある。でも、こういう風にアートに関わらせてもらって、良い作品に出会えてふ~ってなることが多々ある。だから、これをみんながもっと経験してくれたら、毎日大変でも一息つける時間とかもあると思うし、少しずつ心の余白みたいなものが生まれていくのかなと思っている。そういう役割を絶対に持っているから、それがもっと社会に浸透したらいいなと思っている。

▷今の社会で起きている出来事の中で、特に気になっていることはある?

なんか変だな、って思うことが沢山ある。でも、自分の身近なことから感じることが多いかな。

以前働いていたコンビニで、朝から晩までずっと働いてるシングルマザーがいたんだよね。深夜3時に寝て、私と一緒に朝6時からのバイトをしていて。あとは、昔祖父母が生きてたときに、その家に来てくれるホームヘルパーみたいな方を見ていて、絶対に必要なお仕事なのにめちゃめちゃお給料が少ないんだよね。そういう、頑張って生きている人たちが普通に暮らせるようになるべきだなって思っている。だから、そのシングルマザーの方と関わったことが、自分がフェミニズムに興味を持ったきっかけにもなっているって思っている。そのシングルマザーの方との出会いで、今まであんまり気に留めてなかったニュースとか入ってくるようになるし、じゃあ政治家はどういう対応や政策をしているんだろうって思って、政治にも興味が出てきて選挙にも行くようになるとか、そういう変化が自分にあった。

▷影響を受けたアーティストや作品はなに?

スクリプカリウ落合安奈さん。日本とルーマニアに原点を持つ方で、自分の故郷がどこなのか分からないということが制作の原点になっているんだよね。自分の生まれと、自分のアイデンティティとが人格に直結しているのが分かりやすくて、そこから、ハーフの方とかの作品を見るようになった。そうすると、国境とか自分の生まれについて扱っている人が多いんだよね。そこでの使い方とか作った作品の比較が好きかな。

▷日々生きていて、大切にしていることってどんなこと?

日常の中で、学校や職場に行くときに電車が混んでいて押されたりしてすごく心が荒むとか、荒みポイントが世の中には沢山あるけど、それにいちいちムカついていたら一緒になってしまうから、それをしないように何かのかわいいポイントやおもしろポイントを見つけることが好き。

▷コレクティブを通じて実現したいことは?

少しでも多くの人が私達の活動を通して、アートや文化芸術があって良かったって思ってくれたら嬉しいです!

 

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